京都市の小口淳也法律事務所(弁護士小口淳也:京都弁護士会所属)では、離婚問題に注力しており、
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万が一の時のために知識を得ておきましょう
離婚後に親権者が亡くなった場合
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親権とは、親が子(未成年者)の身の回りの世話や教育をしたり(身上監護権)、子の財産管理等をしたりする権利(財産管理権)であり、義務のことです(民法820条)。
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親権には、身上監護権と財産管理権が含まれます。これらを分離して帰属者を決めることもまれにありますが、通常はこれらを一体のものとして帰属者を決定します。
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離婚するときには、かつては父母のいずれか一方を親権者としなければなりませんでしたが(単独親権制度)、2026年(令和8年)4月1日から施行された改正民法では、共同親権の選択が可能とされています。
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共同親権の場合には、離婚後に一方の親が亡くなると、自動的に、他方の親(生存親)のみが単独親権者となります。
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単独親権の場合には、離婚時に単独親権者となった親が離婚後に亡くなっても、生存親が自動的に親権者となるわけではありません。
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この場合、未成年後見の手続が開始され、親権者(財産管理権を有する者に限る。)であった方の親が遺言で未成年後見人を指定していなければ、家庭裁判所が未成年後見人を選任することになります(民法838条~840条1項)。
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これに対し、親権者でない生存親は、自身を未成年後見人に選任するよう求めることもできますが、親権者となることを望む場合には、家庭裁判所に親権者の変更の申立てを行うことになります。
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したがって、離婚後の単独親権者が亡くなった場合には、未成年後見の手続と親権者変更の手続とが競合することがあるということになります。
離婚後に単独親権者が亡くなった場合には、未成年後見人の選任手続と親権者変更の手続とが競合する場合があります。このページでは、それぞれの手続の内容や、これらの手続相互の関係などについて解説いたします。
未成年後見人と親権者の違い
家庭裁判所の監督、家庭裁判所への報告義務の有無
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Point 01
親権者とは
親権者とは、未成年者である子の法定代理人として、未成年者の身の回りの世話や教育(監護養育)をしたり、財産管理や契約等の法律行為をしたりする権限と義務を負う者です。生物学上の親のほか、身分法上の親すなわち未成年者と養子縁組をした養親も親権者となります。
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Point 02
未成年後見人とは
未成年後見人とは、親権者がいない未成年者(未成年被後見人)の法定代理人として、未成年者の監護養育、財産管理や契約等の法律行為を行う者です。裁判所が選任し、必ずしも未成年者の親族から選任されるわけではなく、身分法上のつながりのない第三者(弁護士などの専門家)が選任されることもあります。
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Point 03
両者の違い
未成年後見人は、財産管理などの不正の防止のため、家庭裁判所の監督に服し、定期的に財産の管理状況などを家庭裁判所に報告する義務を負い、未成年者にとって重要な特定の事項について権限を持ちます。これに対し、親権者は、原則として、家庭裁判所の監督を受けることはなく、報告義務も負わず、子に関する日常的な事柄についても権限を持ちます。
未成年後見人選任の手続
単独親権者が亡くなると、未成年後見の手続が開始され、親権者であった方の親が遺言で未成年後見人を指定していなければ、家庭裁判所が未成年後見人を選任することになります(民法838条~840条1項)。
遺言で未成年後見人が指定されていた場合、指定された者が就任を承諾すれば、10日以内に市区役所・町村役場に未成年者の後見届を行うことになります(戸籍法81条)。
この後見届を行うと、未成年後見人に関する事項(氏名、本籍地、戸籍の筆頭者氏名)が未成年者の戸籍に記載されることになり、戸籍事項証明書が未成年後見人であることの証明書となります(成年後見制度における後見登記の仕組みはありません。)。また、家庭裁判所の審判は必要なく、家庭裁判所に対する財産管理の報告義務もありません。
指定された者が未成年後見人への就任を承諾しなかった場合や、そもそも未成年後見人が遺言で指定されていない場合には、家庭裁判所が未成年者等による未成年後見人選任の申立てを受けて未成年後見人を選任します。
申立人となれるのは、親権者がいなくなった未成年者本人(意思能力があることが必要)、未成年者の親族、その他の利害関係人(児童相談所所長、未成年者の債権者など)です。
申立先は未成年者の住所地を管轄する家庭裁判所です。
申立てにあたっては、未成年後見人の選任を求める未成年者一人につき800円の手数料(収入印紙で納付します。)や裁判所からの連絡用の郵便切手代(裁判所によって異なるので申立先の裁判所にご確認ください。)が必要です。
未成年後見人選任の申立てがされると、家庭裁判所が、申立人やその他の未成年者の親族等に意見を聴取するなどし、申立人による未成年後見人候補者の推薦があればそれも踏まえて、適切な人物を後見人に選任します。
未成年後見人が選任されると、裁判所書記官が未成年者(未成年被後見人)の本籍地の市区役所・町村役場に戸籍の記載を嘱託し、これを受けた自治体が未成年者の戸籍に未成年後見に関する事項(未成年後見人選任の裁判確定日、未成年後見人の氏名、本籍地、戸籍の筆頭者氏名)を記載します(遺言による指定の場合のような後見届は必要ありません。)。

未成年後見人選任の手続と
親権者変更の手続との関係
未成年後見人選任が申し立てられれば、親権者でないほうの親(生存親)にも裁判所から申立てがあったことが伝わるのが通常ですので、生存親は、未成年後見人選任手続の中で自身を未成年後見人に指定するよう求めていくことが可能です。
ですが、未成年後見人には、財産管理の報告義務があるなど、親権者とは異なるところがあります。
そこで、未成年後見人選任の手続の中で、未成年後見人ではなく、親権者とすることを求めることができるかどうかが問題になりますが、これを否定し、親権者変更の申立てを必要とした裁判例があります(東京家庭裁判所昭和49年12月13日審判)。これは、未成年後見人選任の手続は未成年後見人を選任するためのものであって、親権者を変更するための手続ではないため、親権者の変更を求めるには未成年後見人の選任手続とは別に親権者変更の申立てが必要としたものです。
なお、この審判では、生存親に親権者となるのにふさわしい事情がある限り、未成年後見人ではなく、親権者とするのが適当であるとしています。これに対し、生存親が未成年後見人に選任された場合は、名義は後見人でも実質的には、親の自然的愛情に基づき、親権者同様の結果の実現を期待することができるのであるから、特段の事情がない限り、未成年後見人に選任された生存親を改めて親権者に変更する必要はないとした審判例もあります(新潟家庭裁判所昭和48年9月17日審判)。この点、生存親が子の財産の管理等を適切に行うことができ、家庭裁判所による監督の必要がなければ親権者とするのが本来の親子のあり方といえるでしょうが、家庭裁判所による監督に服させることが子の利益となる事情がある場合には未成年後見人とするのが適切であるように思われます。
また、未成年後見人選任の手続によって先に未成年後見人が選任されてしまった場合、もはや親権者変更は認められなくなるのかという問題もあります。
これについては、多くの裁判例が親権者の変更は可能であるとしています(東京家庭裁判所昭和53年2月2日審判、東京高等裁判所平成6年4月15日決定など。このうち前者の審判では、子が後見人家族に馴染めず親権者の変更を求めた親が子を事実上監護養育していること等の事情を考慮して親権者の変更を認めましたが、後者の決定では、親権者の変更を求めた親が子とほとんど生活を共にしたことがないことや親権者である方の親を亡くして間のない子の心情などを考慮して、結論として親権者の変更を認めませんでした。)。
ただ、上記の東京高等裁判所の決定では、子の利益が確保できるか否かという観点から判断すべきとされています。ですので、たとえば、未成年後見人が選任されてからある程度の時間が経っており、その間、未成年後見人による監護養育や財産管理等が適切に行われてきているような場合には、これを覆してしまうと未成年者に不利益が生じるおそれがあるため、これを翻してまで親権者を指定するのが子の利益になるといえるだけの事情が求められる可能性がありますので、親権者となることを望む場合には、できるだけ早い段階で親権者変更の申立てを行うことが適切といえるでしょう。
また、未成年後見人を指定する親権者の遺言がある場合でも、親権者変更の申立ては可能であるとし、親権者の変更を認めた審判例があります(大阪家庭裁判所平成26年1月10日審判、同事件の抗告審である大阪高等裁判所平成26年4月28日決定)。
親権者変更の手続
1.申立人
親権者の変更は、子(未成年者)またはその親族が申し立てることができます。離婚により親権者でなくなったほうの親も子の親族として申し立てることができます。
2.申立先
申立先は、子の住所地を管轄する裁判所です。子が複数いる場合は、そのうちの1人の住所地を管轄する家庭裁判所に一括して申し立てることができます。
3.申立てに必要な費用
申立てにあたっては、一人につき1200円の手数料(収入印紙で納付します。)や裁判所からの連絡用の郵便切手代(裁判所によって異なるので申立先の裁判所にご確認ください。)が必要です。
4.申立てに必要な書類等
申立ては、申立書(家庭裁判所の窓口でもらうことができますし、裁判所のホームページからダウンロードしてプリントアウトすることもできます。)のほか、次の書類の提出が必要です。
(1)申立人の戸籍全部事項証明書
(2)親権者の戸籍全部事項証明書(親権者の死亡の記載のあるもの)
(3)子の戸籍事項証明書
(4)事情説明書(親権者変更)
(5)進行に関する照会回答書
(6)送達場所等届出書
このうち戸籍全部事項証明書については、同じものは1通で足ります。たとえば、(2)親権者の戸籍全部事項証明書に(3)子の戸籍事項も記載されている場合には、1通で足ります。
また、申立前に入手できない戸籍全部事項証明書がある場合は、申立後に追加提出すれば足ります。たとえば、親権者が亡くなって間がなく、まだ親権者の死亡が記載された戸籍全部事項証明書を入手できない場合には(戸籍の変更には数日かかることがあります。)、申立後、この戸籍全部事項証明書を速やかに入手して提出することで足ります。
なお、(4)~(6)については、家庭裁判所の窓口でもらうことができますし、裁判所のホームページからダウンロードしてプリントアウトすることもできます。
5.決定方法
裁判所が、申立人や子本人、子の親族等から事情を聴き、子の年齢、子の心情、親権者となろうとする親と子とのそれまでの関係性などの諸事情を考慮して新たに親権者となる親が子を監護養育するのに適しているか否か、変更した場合に子の利益を確保できるか否かを判断して、親権者を変更するかどうかを決定します。
なお、すでに未成年後見人が選任されている場合には、前述の東京高等裁判所平成6年4月15日決定は、「新たに親権者となる親が後見人と同等又はそれ以上の監護養育適格者であり、かつ親権者を変更しても子の利益が確保できるか否かという観点から判断すべきである」としています。このことからすると、すでに未成年後見人が選任されている場合には、新たに親権者となる親にそれなりの親権者としての適格性があっても、未成年後見人より劣る場合には、親権者の変更が認められないということになるので、親権者となることを望む場合には、未成年後見人が選任される前に親権者を変更するのが望ましいです。
6.決定後の届出
親権者変更を認める審判が確定した日から10日以内に、市区役所・町村役場に親権者変更の届出をすることが必要です。届出には、審判書謄本及び確定証明書のほか、戸籍謄本などの提出が求められることがありますので、詳しくは届出をする役場にご確認ください。
離婚後に単独親権者が亡くなった場合、親権者でないほうの親(生存親)の親権が自動的に復活するわけではなく、親権者が遺言で未成年後見人を指定していれば、指定された者が未成年後見人となり、遺言での指定がなければ、未成年後見手続が開始し、家庭裁判所が未成年後見人を選任します。親権者の遺言では、生存親ではなく、親権者の親きょうだいなどが未成年後見人に指定されることが多く、また、未成年後見人選任の申立てでは、親権者の親きょうだいなどが自身を未成年後見人に選任するよう求めることが多いです。そのため、親権者となることを希望する生存親との間に対立が生じることも多いです。
この問題を解決するには、子を養育監護していく上での双方の強みと弱みを的確に分析し、適切に主張や立証を行っていくことが求められます。当事者であるご自身ではどうしても主観的な判断になってしまうところがありますし、ご自身で不慣れな裁判手続を適切に行うことは難しいので、冷静かつ客観的な専門家の意見やサポートが重要になります。
京都市の小口淳也法律事務所では、離婚後に単独親権者が亡くなった場合の親権者変更も含め、離婚・男女問題に注力しています。
事務所での法律相談は初回60分無料ですので、ご利用いただきやすいです。
また、平日の日中はお忙しい方でもご利用いただきやすいように、土日祝日や夜間のご相談にも柔軟に対応しています。
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