お気軽にお問い合わせください。
営業時間: 平日:10:00~20:00
土日祝:10:00~19:00

不貞慰謝料に関する法律関係の理解が重要です

不貞慰謝料の求償権の放棄とは?

  • check_box

    不貞当事者(不貞配偶者と不貞相手)は、被害配偶者に対して、連帯して不貞慰謝料の支払義務を負います。

  • check_box

    不貞当事者は、被害配偶者との関係では、それぞれが不貞慰謝料の全額の支払義務を負います。

  • check_box

    ですが、不貞配偶者と不貞相手との間では、不貞行為をしたことについてどちらにどの程度の責任があるかという責任割合(負担割合)があります。

  • check_box

    そのため、不貞当事者の一方が不貞慰謝料を支払った場合、他方の不貞当事者に対して、その負担割合に応じた金額の負担を求めることができます(求償権)。

  • check_box

    ただ、この求償権については、被害配偶者から放棄することを求められることがあります。

  • check_box

    求償権の放棄については、メリットもありますが、リスクがあるため慎重な判断が必要です。

不貞行為による慰謝料請求において、求償権や求償権の放棄が重要な問題になることがあります。求償権とは、不貞当事者の一方が他方の不貞当事者に対して請求できる権利であり、この権利があることで自身の損失をカバーすることが可能になります。本ページでは、求償権やその放棄について解説します。

求償権が発生する理由

不貞慰謝料とは?

まずは不貞慰謝料の基礎を理解しましょう

  • Point 01

    不貞慰謝料とは

    不貞行為があった場合、不貞行為をされた配偶者(被害配偶者)は、不貞行為をした配偶者(不貞配偶者)とその相手(不貞相手)に慰謝料を請求することができます。これを不貞慰謝料請求権といい、不貞行為をした側にとっては不貞慰謝料債務となります。


  • Point 02

    不貞慰謝料の性質

    この不貞慰謝料債務は、共同不法行為による損害賠償債務であり(民法719条)、複数の者が関与して故意又は過失で、配偶者以外の人と性的な関係をもたない義務(貞操義務)の履行を求める被害配偶者の権利を侵害した場合に、不貞配偶者と不貞相手とがそれぞれ全額について連帯して損害賠償責任を負う(連帯債務)というものです。


  • Point 03

    一方による支払いの他方への影響

    不貞配偶者と不貞相手とは、それぞれ被害配偶者に対して慰謝料の全額について支払義務を負いますが、不貞配偶者と不貞相手のどちらかが損害額の全額を支払えば他方の負う義務も全て消滅し、不貞配偶者と不貞相手のどちらが損害額の一部を支払えば他方の負う義務もその分だけ減少します。


求償権とは?負担割合は?

このように不貞慰謝料は(不真正)連帯債務であり、不貞配偶者と不貞相手とは、一方が支払えば、その分、他方も支払義務を免れるという関係にあります。

そして、このような連帯債務について、民法は、「連帯債務者の一人が弁済をし、その他自己の財産をもって共同の免責を得たときは、その連帯債務者は、その免責を得た額が自己の負担部分を超えるかどうかにかかわらず、他の連帯債務者に対し、その免責を得るために支出した財産の額(その財産の額が共同の免責を得た額を超える場合にあっては、その免責を得た額)のうち各自の負担部分に応じた額の求償権を有する。」と定めています(民法442条1項)。

そのため、慰謝料を支払った不貞当事者の一方は、他方が支払義務を免れた額のうち他方の負担割合(責任割合)に応じた額を自分に返すよう求めることができます。


不貞当事者と不貞相手との間の負担割合は、いろいろな事情を考慮して事案ごとに決められるものですが、不貞関係になるのを主導したのはどちらか(たとえばどちらかが熱心に渋る相手を口説いた)とか、どちらかが他方に対して優越的な立場にあったか(たとえば上司が部下を誘った)とか、不貞相手は不貞配偶者が既婚者であることを知っていたかまたは知る機会があったかというような事情を考慮して決められます。

一般的には、不貞配偶者の方が不貞相手よりも高い割合とされることが多いです。そもそも不貞配偶者には配偶者以外の者と性的関係を持ってはならないという貞操義務があり(最高裁昭和54年3月30日判決)、本来的に平穏な婚姻関係を守る責任があると考えられるためです。裁判例をみますと、不貞配偶者6:不貞相手4とするものや、7:3とするものが多いようです。

 

以上のような求償関係を具体例でみると、たとえば、慰謝料が200万円で、不貞配偶者の負担割合が6、不貞相手の負担割合が4だとします。 この場合に、不貞相手が200万円全額を支払ったとすると、不貞相手は不貞配偶者に120万円(=200万円×6/(6+4))を求償することができます。 また、不貞相手が160万円を支払ったとすると、不貞配偶者に96万円(=160万円×6/(6+4))を求償することができます。

背景画像
放棄のメリットとデメリット

求償権の放棄とは?

被害配偶者から、不貞行為の慰謝料を請求された場合に、求償権の放棄を求められることがあります。それには次のような意味があります。

 

まず、不貞行為はあっても被害配偶者が不貞配偶者と離婚せずに共同生活を続けていく場合、不貞相手による不貞配偶者に対する求償権が被害配偶者にとってネックになってしまうことがあります。

被害配偶者が不貞配偶者と離婚しない場合、被害配偶者は不貞配偶者と同じ一つの財布(家計)で生活していくことが多いですが、不貞相手から不貞配偶者に求償請求がされ、不貞配偶者が支払いに応じると、被害配偶者からすれば、せっかく財布の中に慰謝料が入ってきたのに、同じ財布の中から慰謝料の一部が出て行ってしまうことになります。先の不貞相手が200万円を支払った例でいうと、200万円が財布に入ってきたのに同じ財布から120万円が出て行ってしまうことになります。このような事態を避けるため、被害配偶者としては、不貞相手に不貞配偶者に対する求償権を行使しないよう(放棄するよう)求めるわけです。つまり、被害配偶者と不貞配偶者が離婚しない場合には、被害配偶者にとって求償権の放棄は、不貞相手から不貞配偶者への求償権行使という形で不貞相手から支払われた慰謝料を取り返されるのを防ぐという意味があるわけです。  


また、被害配偶者と不貞配偶者が離婚するかどうかにかかわらず、求償権がネックになって次のような問題が生じることがあります。

すなわち、被害配偶者から慰謝料を請求された不貞当事者の一方(不貞配偶者または不貞相手)が、自分の知らないところで他方の不貞当事者が慰謝料を支払っていれば、自分が慰謝料を支払った後に他方の加害者から求償を受けかねないので、慰謝料請求に応じることはできないということで、解決が難航してしまうことがあります。

自分の知らないところで他方の不貞当事者が慰謝料を支払ったかどうか、いくら支払ったのかは、わからない場合も多いのです。それは、不貞行為が被害配偶者に発覚した後、不貞配偶者と不貞相手との関係も険悪なものになっていたり、被害配偶者から離婚するまでの不貞配偶者と不貞相手との接触を禁じられたり、被害配偶者から不貞配偶者と不貞相手に対して同じ手続きではなく個別の手続きで慰謝料請求をされたりして、不貞配偶者と不貞相手との間の情報が遮断されることがあるためです。

そこで、他方の不貞当事者の慰謝料額が問題解決のネックにならないよう、先に慰謝料を支払う方の不貞当事者に、後に慰謝料を請求する方の不貞当事者に対し求償権を行使しない(放棄する)ことを求めることがあります。つまり、先に慰謝料を支払った方の不貞当事者に求償権を放棄させることで、後に慰謝料請求に応じる方の不貞当事者に、先に慰謝料請求に応じた他方の不貞当事者から求償権を行使されることはないという保証を与えることで、支払いに応じやすくさせるという意味があるのです。

求償権放棄のメリットとリスク

求償権の放棄は、このように被害配偶者の側にメリットのあるものです。

その反面、不貞当事者の側には次のようなデメリット(リスク)があります。

すなわち、不貞当事者の一方が他方の不貞当事者に対する求償権を放棄したからといって、他方の不貞当事者も求償権を放棄するとは限りません。求償権の放棄は被害配偶者との間での話であり、他方の不貞当事者には関わりのないことですから、後に他方の不貞当事者から求償権を行使されるリスクが残ることになります。

 

ですが、求償権の放棄には不貞当事者の側にも次のようなメリットがあります。  


まず、求償権を放棄することを条件にして、支払う額が、慰謝料の全額ではなく、ご自身の負担割合に応じた金額だけに限定できる場合があります。 たとえば、慰謝料が200万円で、不貞配偶者の負担割合が6、不貞相手の負担割合が4という場合、不貞相手が200万円を請求されたのに対し、求償権の放棄に応じるのと引き換えにご自身の負担割合に応じた80万円の支払だけで済ませるという交渉が可能になります。  


さらに、求償権の放棄を交渉材料にして、それ以上の減額などを求めることも可能です。 上記のようにご自身が求償権を放棄しても後に他方の不貞当事者から求償権を行使されるリスクがあるので、そのことを理由とする減額交渉などが可能になります。 たとえば、上記の例でいうと、ご自身の負担割合に応じた80万円の支払をした後に、不貞配偶者がそのことを知らずに120万円を支払った場合、不貞配偶者から48万円(=120万円×4/(6+4))の求償権の行使を受けるリスクがありますし、不貞配偶者が200万円を支払った場合であれば80万円の求償権の行使を受けるリスクがあります。ですので、そのようなリスクを理由に、ご自身の支払額を負担割合に応じた額からさらに減額したり、後に不貞配偶者から求償権を行使された場合には返金してもらうことにするなどの交渉が可能になります。  


また、求償権を放棄せずに後に他方の不貞当事者に求償権を行使する場合には、他方の不貞当事者から支払いを受けられないかもしれないというリスクがあります。たとえば、他方の不貞当事者に支払えるだけのお金がないという場合もあれば、他方の不貞当事者も独自に慰謝料を支払っているため求償権が消滅してしまっている場合もあります。特に、被害配偶者と不貞配偶者とが離婚しない場合には、慰謝料を支払った不貞相手が不貞配偶者に求償権を行使しても、被害配偶者と不貞配偶者が口裏を合わせて、不貞配偶者もその負担割合に応じた慰謝料を支払済みであり求償権は消滅しているということにされてしまうと、それを覆すのは困難です。

ですが、求償権を放棄すれば、そのようなリスクはなくなりますし、求償権を行使する手間も省けます。

ただし、前述のとおりご自身が求償権を放棄しても後に後に他方の不貞当事者から求償権を行使されるリスクが残ることに注意が必要です。  


また、他方の不貞当事者の支払額が決まるのを待たなくてすむので、問題を早期に解決できる可能性があります。問題の早期解決は不貞被害者にとってもメリット(慰謝料を請求に伴う精神的苦痛から逃れられるなど)があるので、求償権の放棄により早期解決が期待できます。 ただし、前述のとおりご自身が求償権を放棄しても後に他方の不貞当事者から求償権を行使されるリスクが残るので、早期解決を焦って軽々に求償権の放棄に応じるのは得策とはいえません。  


以上のように、求償権の放棄には、複雑な問題があり、リスクもあります。  

そのようなリスクを回避するのに適した方法は、被害配偶者と不貞配偶者、不貞相手の三者間で合意することです。  

しかし、不貞配偶者と不貞相手に一緒に不貞慰謝料を請求するか、別々に請求するかは、権利者である不貞被害者の自由ですので、被害配偶者が三者間合意に応じず個別の合意によらざるを得ない場合もあります。  

被害配偶者との間でのみ求償権の放棄を含む合意をする場合には、リスクを回避できる内容の合意(慰謝料総額と支払額決定の前提とした負担割合を明らかにしておく、事後に他方の不貞当事者から求償権の行使を受けた場合の清算を定めるなど)をすることが重要になります。

また、他方の不貞当事者から求償権を行使されるおそれがあれば、被害配偶者との合意とは別に、他方の不貞当事者との間で負担割合を合意しておくことも重要です。  

また、早期解決を焦らずに、他方の不貞当事者との慰謝料支払いの合意が成立するのを待って、被害配偶者からその合意内容を開示してもらい、その内容を踏まえた上で合意をするのが無難でしょう。

不貞慰謝料の支払いに関する法律の基礎知識
弁護士に相談する理由

不貞行為において発生する慰謝料に関連する法律問題は、当事者にとって非常に複雑で感情的な要素を含むことが多いです。特に、求償権やその放棄は、無視できない重要な要素であり、関係者が理解しておくべき問題です。

求償権とは、一方の不貞当事者が慰謝料を支払った場合に、他方の不貞当事者に対してその負担割合に応じた額の支払いを請求できる権利であり、それによって不貞慰謝料の支払いによる財産的損失を減らすことができます。

また、求償権の放棄は、この求償権を放棄することですが、これにはデメリット(リスク)だけではなく、一定のメリットもあります。

しかし、求償権を行使することは非常に難しい場合もありますし、求償権の放棄についてはメリットとリスクを見極めた高度の判断が求められます。そのため、不貞慰謝料や求償権に関する問題を解決するためには、弁護士の専門的なサポートが不可欠です。

弁護士は法律の専門知識や経験を持っており、あなたの権利をきちんと守るための助けになります。法律の専門家である弁護士は、求償権に関する様々なケースを扱った経験があり、その知識をもとに適切なアドバイスを提供することができます。求償権の放棄は、決して軽く考えるべき選択肢ではありません。そのため、事前に法律の専門家と十分に話し合い、十分な情報を得ることが重要です。

特に、不貞行為による慰謝料請求は、感情的なストレスを伴いますが、法的なプロセスを経て適切に対処しなければならない側面も多いです。専門家のサポートによって、あなた自身の気持ちを整理しながら法的な問題に取り組むことができるので、冷静に状況を見極めることが可能になります。

さらに、求償権の放棄によってどのような影響が生じるのかを理論的に理解することも重要です。求償権の放棄を選択する場合、どのようなメリットとデメリット(リスク)が存在するのかを理解するためにも、弁護士のアドバイスが必要です。

不貞慰謝料、求償権及びその放棄に関する問題は、個々のケースによって異なるため、標準的な解決策というものがあるわけではありません。法律の専門家である弁護士と連携し、早期に相談することで、あなたの権利を守るための有効な手段を見つける手助けになるでしょう。ひとりで悩まず、専門的なサポートを受けることが重要です。あなたの権利を守るためにも、まずは行動を起こすことが大切です。

まずは無料相談を!
  • まずは無料相談を!
  • まずは無料相談を!
  • まずは無料相談を!
  • まずは無料相談を!

不貞慰謝料の求償権やその放棄については、法的に複雑な問題が多く含まれています。独力で理解し適切に対処するのが難しいことも多いです。

京都市の小口淳也法律事務所では、不貞慰謝料や求償権、その放棄も含めた離婚問題を中心に、身近な法律問題についてご相談を承っております。

初回の対面相談は60分無料で行っています。また、夜間や土日祝日のご相談にも可能な限り対応させていただいておりますので、平日の日中はお忙しいという方にもご利用いただけます。

法律相談のご予約は、メールやLINE、お電話で行っていただくことができます。

あなたの置かれた状況に応じて最善と考えられるアドバイスをご提供させていただきますので、まずは気軽にお問い合わせください。小口淳也法律事務所は、あなたのお役に立てる機会を待っています。

Contact
お問い合わせ

このサイトはreCAPTCHAとGoogleによって保護されており、Googleの プライバシーポリシー と 利用規約が適用されます。

ACCESS

あなたの身近な相談相手
気軽にご相談ください!

小口淳也法律事務所

住所

〒604-0805

京都府京都市中京区

夷川通柳馬場西入百足屋町146番

Le ciel 御所南301号室

Google MAPで確認
電話番号

050-3529-6407

050-3529-6407

営業時間

平日:10:00~20:00

土日祝:10:00~19:00

代表者名 小口 淳也
丸太町駅から徒歩約3分、烏丸御池駅から徒歩約10分の場所にあります。関西一円からのご相談に対応しており、京都をはじめ大阪、滋賀、奈良など近隣地域の方々にもご利用いただいています。事前のご予約により、夜間や土日祝日のご相談も可能です。

Related

関連記事