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不貞慰謝料の基礎知識
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不貞慰謝料の請求権は、共同不法行為による損害賠償請求権の一種です(民法719条、709条)。
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共同不法行為による損害賠償義務は、共同不法行為者それぞれが損害額全額について連帯して負うものです(不真正連帯債務)。
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したがって、不貞慰謝料の支払義務については、不貞配偶者と不貞相手それぞれが慰謝料の全額について連帯して支払義務を負います。
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これを不貞慰謝料を請求する側からみると、不貞配偶者と不貞相手の両方に請求することも、どちらか一方だけに請求することもできるということです。
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また、不貞配偶者と不貞相手に同時に一緒に請求することも、どちらか一方に先に請求した後で他方に請求することもできます。
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不貞慰謝料は、不貞当事者の一方が支払えば、他方の支払義務もその分だけ減少します。
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不貞慰謝料を支払った不貞当事者は、他方の不貞当事者に対して、その負担割合に応じた額を支払うよう請求できます(求償権)。
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一緒に請求する場合と別々に請求する場合には、それぞれにメリット・デメリットがあるため、それらを慎重に考慮して請求方法を選択することが重要になります。
不貞慰謝料の請求方法には、不貞配偶者と不貞相手に同時に一緒に請求する方法と、別々に請求する方法があります。それぞれの方法にはメリットとデメリットがあり、状況によって適切な選択が変わります。多くの方が困惑するこの問題を解説し、あなたに合った請求方法を見つけるお手伝いをします。
それぞれの方法のメリット・デメリット
不貞慰謝料の請求方法、あなたはどう選ぶ?
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Point 01
一緒に請求するメリット・デメリット
○一つの手続ですませられる
○支払額を高くできる可能性がある
○早期解決につながる可能性がある
×不当な連携(口裏合わせ)をされるおそれがある
×不貞当事者間の対立で解決が遅れるおそれがある
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Point 02
不貞配偶者に先に請求するメリット・デメリット
○不当な連携を阻止できる可能性がある
○支払額を高くできる可能性がある
×二つの手続が必要で手間や費用がかかる
×求償権との関係で解決が難航するおそれがある
×不当な連携を阻止しきれないおそれがある
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Point 03
不貞相手に先に請求するメリット・デメリット
○不当な連携を阻止できる可能性がある
×支払額が少なくなるおそれがある
×二つの手続が必要で手間や費用がかかる
×求償権との関係で解決が難航するおそれがある
×不当な連携を阻止しきれないおそれがある
一緒に請求する場合のメリット・デメリット
上記のようにいずれの請求方法にもメリットとデメリットがありますが、まずは、一緒に請求する場合のメリット・デメリットについて詳しく説明します。
まず、この方法の最大のメリットは、一つの手続ですむことです。
別々に請求する場合、不貞配偶者への請求手続と不貞相手への請求手続の二つの手続をしなければならず手間がかかるのに対し、一緒に請求すれば一つの手続ですみます。
また、一緒に請求することで支払額を高くできる可能性があります。
一緒に請求する場合には、不貞配偶者と不貞相手の二人で支払うことになるので、別々に請求して一人で支払う場合よりも高額の支払が可能になる場合があり、支払を受ける額が高くなる可能性があります。
さらに、一緒に請求することで早期解決につながる可能性があります。
一緒に請求された場合の方が別々に請求された場合よりも不貞配偶者と不貞相手とが慰謝料をいくらずつ負担するのかといったことについて相談しやすくなるので、手続が円滑に進んで早期解決につながる可能性があります。
他方、一緒に請求する場合には、不貞配偶者と不貞相手に口裏合わせされるおそれが大きくなるというデメリットもあります。
不貞配偶者と不貞相手が相談することで早期解決につながる可能性があることの裏返しでもあるのですが、不貞配偶者と不貞相手とが連携(協力)しやすくなります。不貞配偶者と不貞相手への請求を同じ一つの手続で行うため、慰謝料の額を左右する不貞行為の期間や頻度、回数などについての被害配偶者の主張内容などが不貞配偶者と不貞相手に情報共有されてしまうので、これらの事項について不当な連携(口裏合わせ)をされてしまうおそれがあります。
また、一緒に請求する場合には、不貞当事者の内部対立で解決に時間がかかるおそれがあるというデメリットもあります。
不貞配偶者と不貞相手とで慰謝料の額や負担割合などについて意見が対立するなどして解決に時間がかかってしまうおそれがあります。

不貞配偶者に先に請求する場合の
メリット・デメリット
つぎに、不貞配偶者に先に請求する場合のメリットとデメリットについてみてみます。
まず、大きなメリットとして、不当な連携を阻止できる可能性があるということが挙げられます。
不貞配偶者と不貞相手とを手続上分断させることで、不当な連携(口裏合わせ)をやりにくくさせられる可能性があります。 不貞の発覚後に不貞配偶者と不貞相手に以後の相互の接触を禁止することを文書(内容証明郵便)で伝えておくと、不貞配偶者と不貞相手とは心理的に連絡を取りにくくなります。さらに、慰謝料の支払を受ける際に、支払いに至る経緯や支払額などを第三者に口外しないことを約束させれば(口外禁止)、後に請求する不貞相手に不貞配偶者の支払額が知られることなく、優位に請求手続を進めていくことが可能になります。
また、支払額を高くできる可能性があるというメリットもあります。
不貞配偶者が、不貞相手には責任を負わせたくない、迷惑をかけたくないということで、高額の支払いに応じる可能性があります。 一般的に不貞配偶者と不貞相手との責任の軽重については、夫婦関係の平穏を維持する第一次的責任は不貞配偶者にあるということで、不貞配偶者のほうが責任は重いと考えられることもあり、不貞配偶者が高額の支払いに応じることが期待できます。
さらに、不貞配偶者から支払いを受ける慰謝料を、慰謝料という名目ではなく、たとえば財産分与として受け取っておくことで、不貞相手への請求とのトータルで高額の慰謝料を得られる可能性もあります。すなわち、不貞配偶者から慰謝料として支払いを受けると、その分、後に不貞相手に請求できる慰謝料の額は減りますが、不貞配偶者から慰謝料としてではなく財産分与などとして受け取っておけば、不貞相手に請求できる慰謝料の額が減らない可能性があるので、不貞相手への請求とのトータルで高額の慰謝料を得られる可能性があるということです。もっとも、名目はともかく実質は慰謝料として不貞配偶者から支払を受けたものだと判断されれば、不貞相手に請求できる慰謝料の額は減ってしまいます。
他方、不貞配偶者に先に請求する場合には、求償権との関係で解決が難航するおそれがあるというデメリットがあります。
前述のように不貞慰謝料は、被害配偶者との関係では不貞配偶者と不貞相手とがそれぞれ慰謝料の全額について支払義務を負い、どちらかが慰謝料を支払えば他方の支払義務もその分だけ減少するのですが、不貞配偶者と不貞相手との内部関係では慰謝料の負担割合というものを考えることができ、どちらか一方が支払ったときは、他方に対して、他方の負担割合に応じた分を支払ってもらうことができます(民法442条1項)。この権利が求償権ですが、この求償権との関係で解決が難航してしまう場合があります。
まず、不貞相手から後に求償権を行使される可能性があるので、不貞相手の支払額が決まらないと自分の支払額も決められないということで解決が難航する場合があります。その場合には、不貞相手への請求額の上限を決めておくとか、不貞配偶者が不貞相手からの求償権行使に応じた場合にはその分を不貞配偶者に返金するといった工夫をする必要があります。
また、この求償権のために後の不貞相手への慰謝料請求が難航する場合もあります。すなわち、後の不貞相手への慰謝料請求の際に、不貞相手が不貞配偶者から求償権を行使されるおそれがあるという理由で請求に応じず、解決が難航するおそれもあります。そのようなリスクへの対策としては、不貞相手に対して求償権を行使しない(放棄する)ことを不貞配偶者に約束させておくなどの工夫が必要になります。
また、上記のように、不貞の発覚後に不貞配偶者と不貞相手に以後の相互の接触を禁止することを文書で伝えておくと、不貞配偶者と不貞相手とは心理的に連絡を取りにくくなりますが、このような接触禁止の要求は、被害配偶者からの一方的なものであり、不貞配偶者や不貞相手が合意(約束)したものではないので、これに反して接触しても、若干の慰謝料増額理由になる程度です。そのため、そのようなリスクを覚悟の上で接触して口裏合わせをされてしまうというおそれは残ります。
不貞相手に先に請求する場合のメリット・デメリット
この場合のメリットとしては、不貞配偶者に先に請求する場合と同様に、不当な連携を阻止できる可能性があることが挙げられます。
デメリットも、不貞配偶者に先に請求する場合と同様に、求償権との関係で解決が難しくなるおそれや不貞当事者間の不当な連携を阻止しきれないおそれがありますし、さらに、不貞配偶者に先に請求する場合とは逆に、支払額が少なくなるおそれもあります。
前述のように、一般的に不貞配偶者と不貞相手との責任の軽重については、夫婦関係の平穏を維持する第一次的責任は不貞配偶者にあるということで、不貞配偶者のほうが責任は重いと考えられ、そのことを理由に不貞相手の慰謝料額を少なくされるおそれがあります(理論上は、一緒に請求する場合でも不貞配偶者と不貞相手のいずれに先に請求する場合でも、慰謝料の額に違いはないはずで、不貞相手も不貞配偶者との負担割合に関係なくその慰謝料の全額について支払義務を負うはずですが、実際上は、責任の軽い不貞相手だけが請求されているということが考慮されて慰謝料額が低めに算定されることはあり得ます。)。さらに、不貞配偶者に請求していないということは余り夫婦関係が悪化してないのではないかとみられてしまい、慰謝料額が少なくなるおそれもあります。
どの請求方法を選ぶか
不貞当事者の両方に一緒に請求するのか別々に請求するのか、別々に請求するとしてどちらから先に請求するのかについては、以上のようにさまざまなメリット・デメリットがあり、それらを検討して決定することになります。
ただ、上記のメリット・デメリットも絶対的なものではありません。たとえば、不貞相手に先に請求する場合には、支払額が少なくなるおそれがあると説明しましたが、不貞相手に経済力があり早期解決を望めば、支払額が高くなることもあり得ます。
さらに、事情によっては選択肢が限られることもあります。たとえば、両方同時に請求したくても不貞相手の身元を特定できていないため、先に不貞配偶者にだけ請求するほかないという場合です。
このように、不貞慰謝料を一緒に請求する方法と、不貞配偶者に先に請求する方法、不貞相手に先に請求する方法には、それぞれにメリットとデメリットがあり、どの方法を選ぶかによって結果が異なる可能性もあります。そのため、自分の置かれている具体的な状況に応じて、どの請求方法がベターかを慎重に考慮することが重要です。 具体的には、相手の反応や意向、また自分自身の感情面、請求額や相手の経済状況など、多くの要素を検討し、それを基に選択することが重要になります。弁護士に相談することで、より適切な判断基準が提供される場合もあるため、専門家の助けを求めるのも一つの選択肢となります。
不貞慰謝料請求に関しては、専門家のアドバイスを受けることが非常に重要です。請求方法によっては、あなたの人生に大きな影響を与える可能性があります。まずは、それぞれの請求方法のメリットとデメリットを理解し、よりよい選択をするために、専門知識を持つ弁護士に相談することがお勧めです。
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