土日祝:10:00~19:00
養育費の時効とは?
-
養育費はお子さんの生活を支える大切なお金です。
-
離婚時に取り決めがない場合でも、離婚した後に請求することも可能です。
-
養育費の請求権には時効があり、適切なタイミングで請求などをする必要があります。
-
時効が完成した場合、養育費を受け取れなくなるおそれがあります。
-
難しい問題がある場合は、専門家に相談しましょう。
養育費請求における時効の基本
養育費の時効を理解しておくことは子どもの未来を守る大事なステップです。
-
Point 01
時効の基本概念養育費の請求には、時効が存在します。時効とは、一定の期間内に権利を行使しなかった場合に、その権利が消滅することを指します。養育費については、支払請求が行われないまま時効が成立してしまうことがあるため、注意が必要です。
-
Point 02
養育費の請求権の特徴
養育費の請求権は、一般的に、月ごとに発生するものであり、毎月の支払期日にその月の分の請求が可能になるものと考えられています。養育費の総額が一括して発生していて、それを月々に分割して支払うというものではありません。
-
Point 03
時効の起算点について養育費の時効期間の進行は、一般的に、各月の支払期日の翌日から始まり、そこから起算して一定の年数が経過すると、請求権が時効になってしまいます。したがって、支払いが滞っている場合、月々の支払期日が来るごとに請求することが必要です。
養育費の請求と取り決めのための手続き
養育費の請求権は、法律上の権利であり、何もしなくても抽象的な権利としては存在しますが、支払期間や金額、支払期日の定まった具体的な権利とするには、養育費の請求と取り決めが必要です。
養育費の請求権は、一般的に、請求時から発生すると考えられていますので、請求を行い、請求時期を明らかにできるようにしておくことが重要です。
養育費の請求や取り決めは離婚する際に行うことが多いですが、離婚した後で行うことも可能です。離婚した後で請求する場合には、早く請求するに越したことはありません。
請求時期を明らかにするためには、配達証明付き内容証明郵便で請求をするのがお勧めです。
養育費の取り決めを行う手続きには、協議、調停、裁判(訴訟、審判)がありますが、調停を利用する場合、調停の申立てをもって請求がなされたものと扱われ、請求時期も裁判所の受理手続きにより明らかになります。
請求をした後は、養育費の支払期間や金額、支払期日の取り決めに向けて話し合いを行います。
協議の場合は、お互いの都合を考慮して話し合いの場を持ちます。話し合いによって取り決めができれば、取り決めの内容を記載した書面を作成しておくことが重要です。その場合、取り決めに反して支払われない場合の対処の容易さなどの点から、強制執行認諾文言入りの公正証書を作成しておくことが強く推奨されます。強制執行認諾文言入りの公正証書以外の当事者間で作成した書面を作成しただけでは、養育費が支払われない場合に強制執行を行うには、調停や審判を経る必要がありますが、強制執行認諾文言入りの公正証書を作成していれば、この手間を省くことができます。
調停の場合は、裁判所に指定された調停期日において話し合いを行います。調停での話し合いで取り決めができれば、裁判所が取り決めの内容を記載した調停調書を作成します。この調停調書には、協議の場合に作成する強制執行認諾文言入りの公正証書と同等の効力があります(調停が成立した場合には、強制執行認諾文言入りの公正証書を作成する必要はありません。)。
話し合いでの取り決めができない場合は、離婚前であれば離婚訴訟により、離婚後であれば養育費審判により、裁判所に取り決めてもらいます(離婚訴訟では話し合いによる和解で取り決めることもあります。)。
裁判所が取り決めた内容は、判決書や和解調書(離婚訴訟の場合)、審判書(審判の場合)に記載され、これらには調停調書や強制執行認諾文言入りの公正証書と同等の効力があります。
以上の養育費の取り決め方法は、あとで説明する養育費の時効期間に深く関わりますので、ここでしっかり理解しておいてください。
養育費の請求や取り決めには、専門的な知識や経験が求められる場面も多くあります。そのため、弁護士に相談し、適切なアドバイスを受けながら進めることが望ましいです。養育費請求は、お子さんが安心して成長できる未来を築くための重要な手続きですので、しっかりとした法的手続きを踏むことが大切です。

養育費請求権の発生時期と時効の起算点
養育費の請求には、時効が存在します。
時効とは、一定の期間内に権利を行使しなかった場合に、その権利が消滅することを指します。
この一定の期間のことを時効期間といい、時効期間は、一般的に、請求権の行使が可能となった時を起算点として進行を開始し、法定の期間を経過することによって完成します。
そこで、時効期間の起算点との関係で、養育費の請求権の行使が可能となるのはいつかということが問題になります。
この点、養育費の取り決めは、一般的に、「離婚後、子どもが○歳に達する日の属する月まで、毎月○日限り、1か月あたり○万円を支払う」というような形で行われます。これは、養育費の請求権は、一般的に、月ごとに発生するものであり、毎月の支払期日にその月の分の請求が可能になるものと考えられているためです。養育費の総額が一括して発生していて、それを月々に分割して支払うというものではありません。たとえば、今年の4月から来年の3月まで毎月末日ごとに一定額を支払うと取り決めた場合、4月の分の養育費は4月末日に請求権が発生して請求が可能になり、5月の分の養育費は5月末日に請求権が発生して請求が可能になるという具合です。
したがって、養育費の時効期間は、一般的に、各月の支払期日の翌日から進行を開始し、そこから起算して一定の年数(時効期間)が経過すると、請求権の時効が完成することになります。つまり、養育費の請求権は、各月の分ごとに順々に消滅時効にかかっていくということになります。
時効期間と時効の更新・完成猶予
養育費の請求権の時効期間は、一律ではなく、取り決めの方法によって異なります。
それぞれの取り決め方法ごとの時効期間は次のとおりです。
まず、協議によって取り決めた場合、時効期間は5年です。
取り決め内容を強制執行認諾文言入りの公正証書で定めた場合でも5年です。
つぎに、調停によって取り決めた場合の時効期間については、①取り決め前に発生していた過去の未払い分の養育費と、②取り決め後に発生する将来の養育費とで期間が異なります。
①取り決め前に発生していた過去の未払い分の養育費の時効期間は10年です。
これに対し、②取決め後に発生する将来の養育費の時効期間は5年です。
また、審判や訴訟(訴訟上の和解を含む)で取り決めた場合の時効期間も、調停で取り決めた場合と同様です。
時効期間が進行し上記の期間を経過すると時効が完成することになりますが、時効期間の進行については、更新(中断)や完成猶予(停止)というものが認められています。
更新は、更新手続きを行うことで時効期間の進行がリセットされ、その後新たな時効期間が最初から進行し始めるというものです。
完成猶予は、完成猶予事由が生じている期間中は時効期間の進行が停止され、完成猶予事由がなくなると、停止されるまでの期間の続きから時効期間の進行が再び始まるというものです。
更新や完成猶予のための手続きには、以下のものがあります。
①裁判上の請求
離婚調停や養育費調停(審判)の申立て、離婚訴訟の提起がこれにあたります。
これらを行うと、6か月間は時効の完成が猶予されます。
そして、これらの手続きによって養育費の取り決めがなされると、時効期間は更新されます。
②催告(裁判上の請求以外の方法での請求)
養育費を支払う側に催告(裁判上の請求以外の方法での請求)をすると、その時から6ヶ月を経過するまでの間は、時効の完成を猶予することができます。
催告を行ったことや、その時期を明らかにできるように、催告は配達証明付き内容証明郵便で請求をするのがお勧めです。
なお、催告によって時効の完成が猶予している間に再度催告をしたとしても、そこからさらに時効の完成猶予期間が延びるわけではないことには注意が必要です。
③債務の承認
養育費を支払う側が債務を承認したときは、時効が更新されてそこから新たな時効がスタートします。
債務の承認というのは、相手が自分に養育費の支払義務があることを認めることです。
債務承認の方法については、法律上特に規定があるわけではありません。そのため、口頭であっても債務承認の効力自体は生じます。ですが、口頭の場合には債務を承認した証拠が残らず、後で言った言わないの問題になってしまうことがあります。 そのため、債務の承認は誓約書をもらうなど、書面で行うことが強く推奨されます。たとえば「私は、現在滞納中の〇年〇月分から〇年〇月分までの養育費の支払債務を承認します」というような文言を記載した書面をとっておきましょう。
④差押え・仮差押え
差押え(強制執行)を申し立てた場合には、その強制執行が終了するまでの間、時効は完成しません。
また、仮差押えをした場合や、差押えを申し立てたものの取下げをした場合であっても、そこから6か月間は時効の完成が猶予されます。
前述のように、養育費の時効期間の進行は、一般的に、各月の支払期日の翌日から始まり、そこから起算して時効期間が経過すると、請求権の時効が完成することになります。つまり、養育費の請求権は、各月の分ごとに順々に消滅時効にかかっていくということになります。
したがって、養育費の支払いが続いている場合には、月々の支払期日が来るごとに毎回毎回催告しておくことが必要となり、催告しても支払われないときは裁判上の請求などを行うことになり
時効が完成した場合の法律関係
時効が完成した場合、自動的に養育費の支払義務が消滅するわけではありません。
時効の完成により養育費の支払義務が消滅するのは、養育費を支払う側が時効を援用したときです。時効の援用というのは、債務を負う者が相手に対して時効による債務の消滅という時効の利益を自分のために使いという意思を示すことです。
したがって、養育費を支払う側が時効を援用せず、債務の承認(時効の利益の放棄)をすれば、時効期間の経過後であっても養育費の請求が認められることになります。
※前述の時効の更新事由である債務の承認は、時効完成前のものであり、ここでの債務の承認は、時効完成後のものです。
養育費を支払う側が養育費の時効を知らずに債務の承認をしたり、時効を知っていても親としての良心などから債務の承認をしたりすることもあり得ますので、時効が完成してもすぐにあきらめずに請求してみることが重要です。
養育費の取り決めや、養育費の時効の関する問題は、お子さんの生活を支える上でとても重要な事柄です。時効期間のカウント方法や時効の更新・完成猶予の手続きには複雑なところもあり、正確に理解できないかもしれません。そんなときは、ぜひ小口淳也法律事務所にご相談ください。当事務所では、初回の対面相談を60分無料で承っております。ご相談者の状況をしっかりとお伺いし、最善の解決策を見い出すべく尽力させていただきますので、気軽にお問い合わせください。
Contact
お問い合わせ
ACCESS
あなたの身近な相談相手
気軽にご相談ください!
ACCESS
気軽にご相談ください!
小口淳也法律事務所
| 住所 |
〒604-0805 京都府京都市中京区 夷川通柳馬場西入百足屋町146番 Le ciel 御所南301号室 Google MAPで確認 |
|---|---|
| 電話番号 |
050-3529-6407 |
| 営業時間 |
平日:10:00~20:00 土日祝:10:00~19:00 |
| 代表者名 | 小口 淳也 |
-
丸太町駅から徒歩約3分、烏丸御池駅から徒歩約10分の場所にあります。関西一円からのご相談に対応しており、京都をはじめ大阪、滋賀、奈良など近隣地域の方々にもご利用いただいています。事前のご予約により、夜間や土日祝日のご相談も可能です。
Related
関連記事
Related
関連記事
-
2026.01.22養育費と扶養手当との関係を解説します!|京都府京都市の弁護士なら小口淳也法律事務所 -
2025.12.27養育費の計算方法を理解し、未来を見据えた取り決めを実現しましょう|京都府京都市の弁護士なら小口淳也法律事務所 -
2026.01.28養育費をもらえない場合の対処法を解説します!|京都府京都市の弁護士なら小口淳也法律事務所 -
2026.01.27養育費を支払う側が破産すると養育費はどうなる?|京都府京都市の弁護士なら小口淳也法律事務所 -
2026.01.26過去の養育費について解説します!|京都府京都市の弁護士なら小口淳也法律事務所 -
2026.01.24私学や大学の学費は養育費の額にどう影響する?|京都府京都市の弁護士なら小口淳也法律事務所 -
2026.01.23養育費と扶養控除(扶養家族)の関係を解説します!|京都府京都市の弁護士なら小口淳也法律事務所 -
2026.01.22離婚後に養育費を請求するための手続きを解説します!|京都府京都市の弁護士なら小口淳也法律事務所 -
2026.01.19改訂標準算定方式(養育費の計算方法)を詳しく解説します!|京都府京都市の弁護士なら小口淳也法律事務所 -
2026.01.31養育費の支払い方(合意条項)の様々なパターンを紹介します!|京都府京都市の弁護士なら小口淳也法律事務所 -
2025.12.12養育費の請求サポート | 京都府京都市の弁護士なら小口淳也法律事務所 -
2026.05.28法定養育費制度とは?あなたの大切なお子様の未来を守るために知っておきたいこと|京都府京都市の弁護士なら小口淳也法律事務所 -
2026.01.30養育費に関する潜在的稼働能力とは?|京都府京都市の弁護士なら小口淳也法律事務所 -
2025.12.30離婚後の養育費、いつまで受け取れるのかを徹底解説|京都府京都市の弁護士なら小口淳也法律事務所 -
2026.01.06教育資金贈与信託と財産分与や養育費の関係は?|京都府京都市の弁護士なら小口淳也法律事務所 -
2026.01.31養育費保証会社・養育費保証契約とは?|京都府京都市の弁護士なら小口淳也法律事務所 -
2026.01.29再婚が養育費に及ぼす影響について解説します!|京都府京都市の弁護士なら小口淳也法律事務所