土日祝:10:00~19:00
養育費とは? 支払ってもらえない場合の対処法は?
- 養育費とは何か、基本的な概念を知る
-
養育費の決定で考慮される要素
-
養育費の取り決めをしていない場合の対処方法
-
養育費の取り決めがある場合の対処方法
-
行政サービスや民間サービス
- 専門家(弁護士)への相談が重要な理由
養育費とは何か?
養育費の基本的な概念を知る!
-
Point 01
お子さんの成長のために必要な費用
養育費は、離婚した夫婦の間に未成熟のお子さんがいる場合に、お子さんと離れて暮らす方の親(親権者・監護権者でない方の親)が支払うお子さんの監護養育のための費用です。つまり、お子さんの成長のために必要な費用です。この費用には、衣食住に必要な費用、教育費、医療費などが含まれます。
-
Point 02
対象になる子ども
養育費の支払いの対象になる子後もは、未成熟の子どもです。18歳の成人になっているかどうかにかかわらず、学生であるなど、経済的に自立していない子どもは養育費の支払対象になります。養育費の支払義務は養育費の請求がされた時から生じるものと考えられています。
-
Point 03
法律上の義務
お子さんと離れて暮らす方の親が養育費を支払うことは、家族内の問題ではなく、法律上の義務です(民法766条1項、877条1項)。法律上の義務ですので、法的手続きによって取り決めを求めることができますし、取り決めが守られない場合には強制執行によって回収することも可能です。
養育費の決定で考慮される要素
養育費の額は、一般的に、親双方の収入、子どもの人数と年齢に基づいて決定するのが基本です。
裁判所が「養育費算定表」を作成・公表し、親双方の収入、子どもの人数と年齢に応じた目安となる金額を示しているので、参考になります。
養育費算定表はこちら⇒ 養育費算定表
また、養育費算定表で示されている金額には、公立小中学校の教育費や標準的な医療費は含まれていますが、私立学校や大学の学費、高額の治療費は含まれていません。ですので、子どもが私立学校や大学に通っている場合、塾や習い事がある場合、病気などで高額の治療費が必要な場合には、これらも考慮することが重要です。

養育費の取り決めをしていない場合の対象方法
前述のとおり、養育費の支払いは法律上の義務です。
それにもかかわらず、養育費を支払わない親、養育費をもらえない親が大勢います。
「養育費をもらえない」というときには、大きく分けて2つの場合があります。
一つは、養育費の合意(約束)や養育費の支払を命じる審判や判決がなされたのに、つまり、養育費について取り決めがあるのに、それを守ってもらえず払ってもらえない場合です。
もう一つは、そもそも養育費について取り決めをしていないため、払ってもらえない場合です。
厚生労働省子ども家庭庁の「令和3年度全国ひとり親世帯等調査結果報告」によると、そもそも養育費について取り決めをしていない母子世帯は51.2%にも及んでいます(取り決めをしている母子世帯は46.7%で、残りの2.1%は不詳です。)。
取り決めをしていない理由としては、次のようなものが多いです。
① 相手と関わりたくない:34.5%
② 相手に支払う意思がないと思ったこと:15.3%
③ 相手に支払う能力がないと思ったこと:14.7%
④ 取決めの交渉がわずらわしい:6.3%
また、この調査結果報告によると、母子世帯の養育費の受給状況は、次のようになっています。
① 養育費を受けたことがない:56.9%
② 現在も養育費を受けている:28.1%
③ 養育費を受けたことがある:14.2%
このうち③の「養育費を受けたことがある」というのは、養育費の取り決めがあったので支払いを受けたことはあるけれど、現在は受けていないという場合がほとんどでしょう。ですから、養育費の取り決めがあっても80%ほどは守られていないものとみられます。たいへん驚くべき数字ではないでしょうか。
上記の養育費の取り決めをしていない理由は、どれもうなずけるところがありますし、どうしても仕方なくあきらめたという方も多いのだと思います。ですが、養育費は、お子さんの権利です。お子さんが現在、将来にわたってお子さん自身の可能性を拓いていくための、幸福になるための大切な権利ですので、できればあきらめてほしくないと願います。
上記の理由のうち①や④については、弁護士に代理を依頼することが可能です。
また、②については、最初に述べたとおり、養育費の支払いは法律上の義務です。相手の意思は問題ではなく、相手に支払う意思があろうとなかろうと、相手には支払う法律上の義務があるのです。
また、③については、本当に全く支払能力がなければ請求しても無駄ですが、わずかでも支払能力があるのでしたら、たとえ少額であろうとも、お子さんの現在、将来のためになることに違いはありません。お子さんのために請求していただきたいと思います。
養育費は、お子さんの生活を支えるために重要な要素であり、その支払いを受けるかどうかは、お子さんの生活に直接的な影響を及ぼすことになります。どうか養育費の請求をあきらめないでください。
養育費の取決めを行う方法としては、協議、調停、裁判(審判)があります。
協議は、親同士で話し合う方法です。①相手と関わり合いたくないとか、④取決めの交渉がわずらわしいという問題があっても、弁護士に代理を依頼することで解決可能です。
調停は、家庭裁判所の関与の下で親同士が話し合う方法です。親同士の協議では解決できない場合でも、家庭裁判所の調停委員が双方の言い分を聞き取って相手に伝え、時には法的な視点や一般人の視点から意見を述べたり説得したりして合意形成を図ってくれます。
裁判(審判)は、双方の言い分(主張)とそれを裏づける資料(証拠)に基づいて裁判所が決定する方法です。調停でも話し合いがまとまらない場合には、この方法によることになります。なお、離婚する際に養育費を決定してもらう場合には訴訟という手続を使いますが、離婚後に養育費の取り決めを請求して決定してもらう場合には審判という手続を使います。
協議や調停で話し合いを行う際には、感情的にならず、事実に基づいた話し合いを心がけましょう。そのためには、事前に具体的なデータや証拠をまとめておくと良いでしょう。例えば、これまでの話し合いの内容や子どものために将来かかってくる費用を整理して示すことで、より説得力のある話し合いが可能になります。また、話し合いの場では相手の言い分にもしっかり耳を傾ける姿勢が重要です。相手が支払いを行えない理由や事情を理解することで、お互いの立場を尊重し、柔軟な解決策を見出すきっかけになるかもしれません。例えば、支払スケジュールの暫定的な変更を提案するなど、相手の事情を考慮した上でのアプローチが求められます。
それでも話し合いがうまくいかない場合、弁護士などの専門家の力を借りることを検討するのも一つの手です。専門家は法律的な観点から最適なアドバイスを提供し、交渉の際にもサポートを行えます。特に、養育費に関する法律や権利についての理解を深めることは、あなた自身が自信を持って交渉するためにも役立ちます。養育費の問題は子どもにとって非常に重要なことですので、早めに対策を講じるよう心がけましょう。最初のステップとして、元配偶者との適切なコミュニケーションを行い、その後の状況に応じて必要な手続きを進めていくことが大切です。倦怠感を感じず、問題を明確に捉えた上での行動が、子どもにとってもあなた自身にとっても最善の結果につながるでしょう。
養育費の取り決めがある場合の対処法
養育費の取決めが裁判所の手続(調停、審判、訴訟)で決められたものであれば、家庭裁判所が行う履行勧告や履行命令、強制執行を利用できます。
履行勧告というのは、養育費をもらう側である権利者が申し出ることにより、家庭裁判所が、文書や電話で、養育費を支払う側である義務者に対し、決められたとおりの養育費を支払うように勧告(説得)してくれるという制度です。
費用はかかりませんし、申出は口頭や電話でもできるとされており(ただし、原則として申出書の提出が求められます。)、裁判所が関与しますのである程度の効果は期待できます。
しかし、支払を強制できるものではないところが弱点です。
履行命令というのは、養育費をもらう側である権利者の申し出に基づき、家庭裁判所が相当と判断した場合に、養育費を支払う側である義務者に対し、定められた期限内に未払になっている養育費を支払うようにという命令を出すという制度です。
履行勧告と同様に費用はかかりませんが、勧告よりも命令の方が厳格であるため、裁判所は命令を出す前には義務者に意見を述べる機会を与えなければならないとされており、厳格な手続となっています。 命令が出されたにもかかわらず義務者が正当な理由なく従わない場合は、裁判所により10万円以下の過料に処されます。
ただ、養育費そのものの支払を強制できるものではないのは履行勧告と同様です。
強制執行というのは、養育費を支払う側である義務者の財産(給料や預貯金など)を裁判所に差し押さえてもらい、その差し押さえた財産を金銭に換えた中から強制的に養育費を受け取るという制度です。
強制執行をするには、強制執行認諾文言のある公正証書、調停調書、審判書、和解調書、判決書、仮執行宣言付き支払督促が必要です。これらの書面は、強制執行ができることを公的に証明する書面であり、債務名義と呼ばれます。
これらに対し、離婚した夫婦の間での合意(口頭または書面(強制執行認諾文言のない公正証書も含みます。))しかない場合には、家庭裁判所が関与した合意ではないので、履行勧告や履行命令は利用できませんし(この点は強制執行認諾文言のある公正証書でも同様です。)、また、そのままでは強制執行を行うことができず、調停や審判、訴訟などの手続をとって債務名義を得て強制執行を行うことになります。
強制執行は裁判所が公権力を行使する強力な手段であり、給与を差し押さえる場合であれば給与の2分の1まで(※)差し押さえることができ、将来の養育費についても差し押さえることができるので、たいへん有効な手段といえます。
※給与額から税金と社会保険料を引いた残額の2分の1まで、または、その額が33万円を超えるときは33万円を超える部分が差押え可能です。賞与も同様です。退職金も税金と社会保険料を引いた残額の2分の1まで差押え可能です。
ただ、手続ややや難しく、費用や手間がかかります。
また、相手方に差し押さえるべき財産がなければ強制執行をしても回収できませんし、相手方の行方がつかめない場合は強制執行ができません。また、せっかく給与を差し押さえても転職されてしまうと転職先の給与の差押えをやり直さなければならないといった難点もあります。
以上のように、養育費を支払ってもらえない場合の対処方法として、履行勧告、履行命令、強制執行という司法上の手続がありますが、使いやすさからすると、まずは履行勧告や履行命令を行った後に強制執行に及ぶという流れになりやすいです。 ただ、履行勧告や履行命令を行うと、相手方は次に強制執行がされることを予測して財産を差し押さえられないように隠してしまい、強制執行による回収ができなくなってしまうおそれがあります。 ですので、履行勧告や履行命令を使うかどうかは状況をふまえて検討することになります。
利用できる行政サービスや民間サービス
以上の法的手続のほか、行政サービスとしても、養育費相談支援センター事業や、離婚前後親支援モデル事業が実施されています。
法的手続のための費用が気にかかるのでしたら、ますは行政サービスの利用を試してみるのもよいかもしれません。
養育費相談支援センター事業は、厚生労働省子ども家庭庁(国)が一般社団法人家庭問題情報センターに委託して行っている事業です。 土曜日祝日や平日夜間(水曜日は午後10時まで、それ以外は午後8時まで)の電話やメールでの相談が可能です。
離婚前後親支援モデル事業は、地方自治体(民間団体への委託可)が、離婚協議開始前の父母等に対して、離婚が子どもに与える影響、養育費や面会交流の取決めや離婚後の生活を考える機会を提供するため、講座の開催やひとり親家庭支援施策に関する情報提供等を行うものです。
これらのご活用もご検討ください。
さらに、民間企業による養育費保証サービスを利用することで養育費の不払いのリスクに備えることができます。
養育費保証会社と養育費保証契約を結ぶと、保証会社が養育費を立て替えて支払ってくれますので、養育費を支払う側である義務者自身が支払わない場合でも、養育費を受け取れますし、義務者への請求も保証会社がしてくれるので、ご自身で請求する必要はありません。
ただし、民間の保証契約ですので、保証料などがかかります。
養育費に関する問題は深刻ですが、決して一人で抱え込む必要はありません。様々な制度やサポートを利用して、少しでも負担を軽減し、子どもにとってもより安定した生活ができるように努めましょう。
養育費の支払いに関する問題は、多くの方が直面する悩みの一つです。特に、相手から適切に支払われない場合、その影響は子どもにとっても大きなものとなります。そこで重要なのは、専門家である弁護士に相談することです。 弁護士に相談することで、まず自分の権利や義務が明確になります。お子さんのために自分に何ができるのか、養育費の取り決めはどのように行われるべきか、また、相手が現在どのような義務を負っているかを理解することは非常に重要です。弁護士の専門的な視点から、養育費の相場やあなたが受け取るべき金額の算出方法も教えてもらえるでしょう。
次に、弁護士は交渉の場においても頼りになります。元配偶者やその代理人との交渉は、時には感情的な対立を招くことがあります。それを避けるためにも、中立的な立場で話を進めることができる弁護士を通じてアプローチすることが効果的です。弁護士は、適切な言葉や文書を用いて言い分を伝えることができるため、相手側との対話をスムーズに進める手助けが可能です。
もし、話し合いが難航してしまった場合には、さらに進んだ法的手続きを行う準備もできます。弁護士は調停や訴訟といった法的ステップに関してもサポートしてくれます。必要な書類の作成や手続きの流れ、さらには費用感についても明確に説明してくれますので、あなた自身が手続きに対する不安を軽減し、必要な行動を起こすことができます。
最後に、養育費に関するトラブルが発生した際には、早めに弁護士に相談することが重要です。問題を放置しておくと、状況がさらに悪化することもあります。問題解決に向けてしっかりと行動を起こし、専門家の助けを借りることで、あなたとお子さまの未来を守るための道を切り開くことができるのです。
小口淳也法律事務所では、養育費の問題について詳しい知識と豊富な経験を持った弁護士がおります。初回の対面相談は60分無料ですので、まずはお話を聞かせていただければと思います。お一人で悩まず、まずは気軽にお問い合わせください。
Contact
お問い合わせ
ACCESS
あなたの身近な相談相手
気軽にご相談ください!
ACCESS
気軽にご相談ください!
小口淳也法律事務所
| 住所 |
〒604-0805 京都府京都市中京区 夷川通柳馬場西入百足屋町146番 Le ciel 御所南301号室 Google MAPで確認 |
|---|---|
| 電話番号 |
050-3529-6407 |
| 営業時間 |
平日:10:00~20:00 土日祝:10:00~19:00 |
| 代表者名 | 小口 淳也 |
-
丸太町駅から徒歩約3分、烏丸御池駅から徒歩約10分の場所にあります。関西一円からのご相談に対応しており、京都をはじめ大阪、滋賀、奈良など近隣地域の方々にもご利用いただいています。事前のご予約により、夜間や土日祝日のご相談も可能です。
Related
関連記事
Related
関連記事
-
2026.01.22養育費と扶養手当との関係を解説します!|京都府京都市の弁護士なら小口淳也法律事務所 -
2025.12.27養育費の計算方法を理解し、未来を見据えた取り決めを実現しましょう|京都府京都市の弁護士なら小口淳也法律事務所 -
2026.01.29再婚が養育費に及ぼす影響について解説します!|京都府京都市の弁護士なら小口淳也法律事務所 -
2026.01.27養育費を支払う側が破産すると養育費はどうなる?|京都府京都市の弁護士なら小口淳也法律事務所 -
2026.01.26過去の養育費について解説します!|京都府京都市の弁護士なら小口淳也法律事務所 -
2026.01.24私学や大学の学費は養育費の額にどう影響する?|京都府京都市の弁護士なら小口淳也法律事務所 -
2026.01.23養育費と扶養控除(扶養家族)の関係を解説します!|京都府京都市の弁護士なら小口淳也法律事務所 -
2026.01.22離婚後に養育費を請求するための手続きを解説します!|京都府京都市の弁護士なら小口淳也法律事務所 -
2026.01.19改訂標準算定方式(養育費の計算方法)を詳しく解説します!|京都府京都市の弁護士なら小口淳也法律事務所 -
2026.05.28法定養育費制度とは?あなたの大切なお子様の未来を守るために知っておきたいこと|京都府京都市の弁護士なら小口淳也法律事務所 -
2026.01.29養育費の時効について解説します!|京都府京都市の弁護士なら小口淳也法律事務所 -
2025.12.30離婚後の養育費、いつまで受け取れるのかを徹底解説|京都府京都市の弁護士なら小口淳也法律事務所 -
2025.12.12養育費の請求サポート | 京都府京都市の弁護士なら小口淳也法律事務所 -
2026.01.31養育費保証会社・養育費保証契約とは?|京都府京都市の弁護士なら小口淳也法律事務所 -
2026.01.31養育費の支払い方(合意条項)の様々なパターンを紹介します!|京都府京都市の弁護士なら小口淳也法律事務所 -
2026.01.06教育資金贈与信託と財産分与や養育費の関係は?|京都府京都市の弁護士なら小口淳也法律事務所 -
2026.02.01離婚届を勝手に出されてしまった場合の対処法|京都府京都市の弁護士なら小口淳也法律事務所