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婚姻費用は児童手当に影響される?

1. 婚姻費用と児童手当

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    婚姻費用とは、離婚成立までの配偶者や子どもの生活費や教育費のことです。

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    児童手当は、児童(0歳から18歳まで)を養育している人に支給される国の子育て支援金です。

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    婚姻費用の額は、一般的に、夫婦双方の収入や子どもの人数・年齢を主な要素として算定されます。

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    婚姻費用の算定の際に、児童手当を受け取っている側の収入に児童手当の額を含めるかどうかなどが問題になります。

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    婚姻費用を支払う側が子どもを養育していないのに児童手当を受け取っている場合、婚姻費用をもらう側が児童手当の返還を求められるかどうかが問題になります。

離婚時における経済的な問題は、特に子どもがいる家庭にとって重要な課題です。婚姻費用と児童手当は、離婚成立までの生活に大きな影響を及ぼす要素であり、理解を深めることで安心して生活の準備をすることが可能となります。本ページでは、婚姻費用と児童手当がどのように関連し、離婚に際してどのように考慮すべきかを解説します。

2. 児童手当の概要と役割

2. 婚姻費用の基礎知識

離婚時の経済的問題の理解を深めましょう!

  • Point 01

    婚姻費用とは

    離婚成立までの配偶者や子どもの生活費や教育費のことです。婚姻費用の権利義務は、一般的には、請求した時点から発生するものとされ、離婚の成立により証明します。婚姻費用の請求は別居中でも同居中でも可能です。

  • Point 02

    婚姻費用の額

    婚姻費用の額は、一般的に、夫婦双方の収入や子どもの人数・年齢を主な要素として算定されます。ただし、子どもが私立学校に通っており教育費が高額であるというような特別な事情も考慮される場合があります。

  • Point 03

    婚姻費用算定表

    婚姻費用の額については、裁判所が目安となる金額を示した婚姻費用算定表を作成し公表しており、これを参考にして取り決めることが多いです。婚姻費用算定表はこちらをご覧ください。

    ⇒ 婚姻費用算定表

3. 児童手当とは

児童手当とは、児童(0歳から18歳まで)を養育している人に支給される国の子育て支援金です。

支給額は次のとおりです(本ページ執筆時)。

・3歳未満の児童:一人当たり月額1万5000円(第3子以降は3万円)

・3歳以上高校生年代まで:一人当たり月額1万円(第3子以降は3万円)  


この児童手当は、父母が別居している場合には、子どもと同居して監護養育している方の親に支給されるべきものですが(児童手当法4条)、他方の親(子どもと別居しており監護養育していない方の親)を支給先としたまま支給先の変更手続(現況届の提出)をしなければ、別居後も他方の親に支給され続けることから、いくつかの問題が生じます。

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4. 養育費計算におけるポイント

4. 婚姻費用は児童手当を理由に

増減されるか?

まず、児童手当に関しては、婚姻費用を支払う方の親(義務者)が児童手当を受け取っている場合に、子どもを監護養育している方の親(権利者)から、婚姻費用分担額の算定にあたって、婚姻費用を支払う方の親(義務者)の収入に児童手当の分を加算するよう求めることがあります。つまり、義務者の収入が児童手当の分だけ多くなるので、婚姻費用の額も高くするべきだという要求です。

これとは逆に、権利者が児童手当を受け取っている場合に、義務者が婚姻費用分担額から児童手当の分を減額するよう求めたり、権利者の収入に児童手当の分を加算することで婚姻費用の額を少なくするよう求めたりすることもあります。


ですが、最高裁判所は、子ども手当(児童手当とほぼ同様の子育て支援金)の支給は婚姻費用分担額に影響しないと判決しています(最高裁判所第二小法廷平成23年3月17日判決)。  

したがって、上記のような要求は通らないということになります。

5. 義務者が別居後に支給された児童手当を

受け取って


いる場合には権利者に返還しなければならないか?

また、児童手当に関しては、婚姻費用を支払う方の親(義務者)が児童手当を受け取っている場合に、子どもを監護養育している方の親(権利者)が、婚姻費用の請求と併せて、義務者がすでに受給した別居後の分の児童手当を返還するよう求めることがあり、このような請求が認められるかどうかが問題になります。


このような要求が婚姻費用分担請求調停の中でされた場合、調停委員が、義務者に対して返還に応じるよう求めてくることも多いです。児童手当は子どもさんのためのものだから、という理由からです。    

ですが、これに関しては、特別児童扶養手当(20歳未満で精神又は身体に障害を有する児童を家庭で監護、養育している父母等に支給される支援金)についてのものですが、東京高等裁判所が、婚姻費用分担に関する処分として、手当の返還やこれと同額の金員の支払を命ずることはできないとしています(東京高等裁判所平成21年4月21日決定)。つまり、義務者がすでに受給した別居後の分の児童手当の返還は、審判事項である婚姻費用分担に関する処分には含まれないので、それについては婚姻費用分担請求の審判手続では判断できないとしています。  

この考えに従えば、特別児童扶養手当と児童手当とで異なる扱いをする理由はないと思われますので、権利者は義務者がすでに受給した別居後の分の児童手当の返還を求めることはできず、義務者は返還に応じる必要はないということになります。  

調停では、調停委員が言うのだから仕方がないという場面も多いのが実際のところですが、それは、調停委員の言うことに応じず調停が不成立になれば、その後に審判手続で調停委員が言うとおりの決定がされてしまう可能性が極めて高いためです。ですが、上記のように義務者がすでに受給した別居後の分の児童手当の返還については審判事項ではなく審判手続では判断できないということであれば、調停委員の言うことだからといって従う必要はないということになります。  


もっとも、審判事項ではなくても、訴訟事項として不当利得返還請求が認められる可能性はあります(東京地方裁判所平成29年11月6日判決)。

児童手当は、お子さんを養育している側のための子育て支援金であり、お子さんのためには返還するのがよいので、夫婦双方の収入や資産、別居のための費用負担の状況(婚姻費用)などを考えて、話し合いによって解決するのが望ましいでしょう。

5. 財産分与の割合とその影響
6. 離婚後の経済的支援の種類

また、婚姻費用を支払う方の親(義務者)が児童手当を受け取っている場合に、子どもを監護養育している方の親(権利者)が、婚姻費用を支払う方の親(義務者)に、児童手当の支給先の変更手続(現況届の提出)への協力を求めることもあります。  

ですが、児童手当の支給先の変更手続は、離婚を前提とする別居をしている場合には、権利者だけで行うことができますので、義務者の協力は必要ありません。  

この手続は、①住民票を異動した上で、②「離婚協議中であることを証明する資料」を役所の窓口に提出して児童手当認定請求を行うというものです。

このうち②の「離婚協議中であることを証明する資料」としては、以下のようなものが該当します。

・協議離婚申入れ時の内容証明郵便の謄本(離婚協議中の場合や離婚協議終了後で調停申立て前の場合)

・調停期日呼出状、口頭弁論期日呼出状(調停中や離婚訴訟中の場合)

・家庭裁判所作成の事件係属証明書(離婚調停中や離婚訴訟中、婚姻費用分担請求審判中の場合)

・調停不成立調書(調停不成立後で審判申立て前や訴訟提起前の場合)   

なお、この手続をしようとした場合に、役所から、義務者が作成した受給事由消滅届の提出を求められることがあるかもしれません。ですが、この役所の対応は誤りです。受給事由消滅届は「受給者が子供と別居することになった」とき(たとえば受給者が単身赴任で子どもと離れて暮らすことになった場合)などに提出を求められるものですが、その特則として「離婚を前提とする別居」の場合には、①住民票の異動と②「離婚協議中であることを証明する資料」の提出でよいこととされているので、この場合は受給事由消滅届は不要です。

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離婚を考える際、多くの方々が直面するのが婚姻費用や児童手当の問題です。これらの要素は、経済的な負担や離婚成立までの生活に大きな影響を与えるため、不安を感じる方も少なくありません。特に、別居後の生活設計を考えた時に、児童手当が婚姻費用にどのような影響を及ぼすのか、どうすれば児童手当を受給できるのかを理解することは非常に重要です。小口淳也法律事務所では、こうした複雑な問題についてもサポートを行っており、個々の状況に合わせた具体的なアドバイスを提供しています。特に初回の対面相談では60分無料でお話しいただけますので、安心してご利用いただけます。離婚に伴う経済的な不安を解消するために、まずはお気軽にご相談いただければと思います。

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