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離婚による経済的損害とは?

精神的損害に対する慰謝料とその他の損害に対する損害賠償

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    離婚の際によく問題になる慰謝料は、不法行為による損害賠償(民法709条)の一種です。

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    不法行為による損害賠償は、他人の故意または過失による権利侵害行為(不法行為)によって生じた損害について請求できます。

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    不法行為によって生じた損害といえるためには、その不法行為によってその損害が生じるのが社会通念上相当であるという相当因果関係が認められることが必要です。

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    離婚慰謝料は、不法行為による損害賠償のうち、相手に責任(不貞や暴力など)のある離婚よって生じるのが社会通念上相当な「精神的苦痛(精神的損害)」を償うためのものです。

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    不法行為における損害は、精神的損害に限られず、経済的損害も含まれます。

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    したがって、相手に責任のある離婚と相当因果関係の認められる経済的損害であれば、離婚の際に損害賠償請求が認められます。

離婚に際しては、慰謝料のほかにも、結婚式の費用や、新居への引越費用、新婚生活のための家具や家電の購入費用などの経済的損害の損害賠償が問題となることがあります。本コンテンツでは、このような経済的損害の損害賠償に含まれる複雑な問題について解説します。

経済的損害って何?

結婚式の費用等の経済的損害と財産分与との関係

経済的損害の賠償問題は財産分与によって解消できるか?

  • Point 01

    経済的損害が問題となる場面

    離婚に際して財産的損害の損害賠償が問題になるのは、結婚後間もなく離婚することになった場合が多いです。 結婚後間もなく離婚することになった場合には、挙げたばかりの結婚式の費用が無駄になったり、新婚生活のための家具や家電の購入費や新居への引越費用が無駄になったりするためです。


  • Point 02

    財産分与とは

    財産分与というのは、夫婦の婚姻中に夫婦の協力によって築かれた夫婦の財産(共有財産)を離婚の際に分け合うというものです(民法768条)。 言い換えると、①婚姻中に夫婦の協力で得た財産で、②離婚の際に存在しているものを分け合うということです。

  • Point 03

    財産分与との関連性

    ①結婚式の費用は、一般的に、夫婦それぞれが婚姻前に築いていた財産から支払うものなので、婚姻中に夫婦の協力で得た財産にあたりません。 しかも、②結婚式の費用は、結婚式が終わった以上は価値が残らないので、離婚時に存在している財産にあたりません。したがって、基本的には経済的損害の賠償問題を財産分与で解消することはできません。

損害賠償請求も基本的には難しい

前述のとおり、①相手に責任のある離婚と②相当因果関係の認められる③経済的損害については、離婚の際に損害賠償請求が認められます。

しかし、これも簡単に認められるものではありません。

たとえば、自分が費用を出して結婚式を挙げて結婚したものの、どちらか一方が悪いわけでもないのに夫婦関係が上手くいかず、半年から1、2年くらいで離婚することになったという場合には、①相手に責任のある離婚とはいえません。また、結婚式の費用の支払については、結婚式を行って結婚したことで、結婚のための儀式という結婚式の目的も達成されているので、③経済的損害がないということになり、損害賠償請求は認められません。  

また、①離婚の原因が結婚後の相手の不貞行為であったという場合でも、③経済的損害がないのは同様なので、やはり損害賠償請求は認められません。

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養育費算定のポイント

財産分与での解消が可能な場合

以上のように、結婚式の費用などの経済的損害を財産分与や損害賠償によって解消することは基本的には難しいのですが、例外的に可能な場合もあります。


まず、財産分与での解消が可能な場合について説明しますと、結婚式の費用をブライダルローンなどの借金で支払った場合には、財産分与で経済的損害を解消できる可能性があります。

財産分与をする場合の財産分与額は、夫婦共有の積極財産(プラスの財産)から夫婦共通の消極財産(借金などのマイナスの財産)を差し引いた残額に2分の1を掛け算することで計算するのですが、結婚式の費用を借金で支払っていた場合には、これを夫婦共通の消極財産とすることで経済的損害を解消できる可能性があります。結婚式は夫婦双方のために行うものですので、結婚式の費用とするための借金は、夫婦が協力して返済していくものであり、夫婦共通の消極財産となるとみられるのが通常です。

そこで、たとえば、夫婦の共有財産である預金が300万円ある場合、夫と妻は150万円ずつ分け合うことになりますが、この預金以外に、結婚式の費用とするための夫名義の借金が100万円残っている場合には、300万円から100万円を差し引いた残額200万円を100万円ずつ分け合うことになります。そうすると、妻が財産分与で得る金額は、結婚式の費用にするための夫名義の借金がある場合にはそれがない場合より50万円少なくなり、夫は、結婚式の費用にするための夫名義の借金100万円のうち50万円を取り戻せたのと同じ結果になります。ただ、このように結婚式の費用の借金を財産分与の対象にする場合に取り戻せるのは、結婚式の費用の半分にとどまります。

損害賠償での解消が可能な場合

つぎに、損害賠償での解消が可能な場合についてですが、結婚相手が結婚前から肉体関係を伴う交際をしている相手と結婚後も関係(不貞行為)を続けていたことが結婚後に発覚して離婚することになった場合にも、結婚式の費用などの経済益損害を解消できる可能性があります。

この場合には、前述の自分が費用を出して結婚式を挙げて結婚した半年から1、2年後くらいに相手が不貞行為をしたので離婚することになったという場合とは異なり、騙されたり勘違いさせられたりして結婚式の費用を支払わされたということができます。結婚相手にそんな関係の相手がいて結婚後も関係を続けるなどということを知っていたら、結婚しなかったし、結婚式の費用を支払うこともなかったといえるからです。この場合には、財産分与で取り戻す場合のように結婚式の費用の半分だけではなく、全額を取り戻せる可能性があります。


実際に結婚式の費用などの財産的損害について損害賠償請求を認めた裁判例がありますので、ご紹介したします(佐賀地方裁判所平成25年2月14日判決)。  

この裁判例の事案は、夫が妻との婚約中に他の女性と性的関係をもち、夫側から妻側への結納後も当該女性に対し性的関係をもつことを執拗に求めていたことを理由に結婚後約1か月で協議離婚をした元妻(以下単に「妻」とだけいいます。)が、元夫(以下単に「夫」とだけいいます。)に対し、離婚慰謝料のほか、結婚式の費用(ウェディングドレス代、吹奏楽団への謝礼、招待客の車代)や、新婚生活のための家具・家電の購入費、新居への引越費用などについて損害賠償を請求したというものです。  

この妻の請求に対し、裁判所は、妻が、夫の不貞の事実を婚約中に知ったのであれば、夫との婚約を破棄し、結婚式を挙げることはせず、新婚生活を送るために準備もしなかったであろうこと、さらに、夫の不貞により多大な精神的苦痛を被るであろうことは当然に予測し得たというべきであり、結婚式の費用や新婚生活のための費用も、不法行為に基づき相当因果関係にある損害として、損害賠償を求めることができると判決しています。

婚姻費用とその影響

祝儀や結納金との調整

ただし、この事案のように、結納金が贈られている場合には結納金と損害(額)との調整が必要になります。また、結婚式を挙げた場合には祝儀をいただいていることが多く、それを新婚生活のための家具などの購入費用に充てることも多いでしょうが、祝儀は結婚しなければもらうことがなかったものなので(結婚したことによって得たものなので)、祝儀と損害(額)との調整も必要になります。  


この点、上記の裁判例では、新婚生活のための家具・家電のうち妻が自ら貰った祝儀で買った物品の購入金額については、妻は、夫と結婚しなければ祝儀を貰うことはなかったのであるから、損益相殺(※)として損害から控除すべきであるとしています(なお、新婚生活のための家具・家電のうち妻が売却処分した物品の代金も損害から控除しています。)。

※損益相殺とは、不法行為の被害者が不法行為によって損害を受けると同時に利益を得た場合に、その利益を損害から控除することをいいます。  


また、上記の裁判例では、結婚式の費用について、祝儀から支払われた吹奏楽団への謝礼や招待客の車代は損益相殺により損害から控除しています。


さらに、妻は招待客から贈られた祝儀を夫から要求されて夫に支払っていたのですが、その祝儀については、結婚式を挙げなかったらもらえなかったであろうものなので、損益相殺の見地から、損害から控除されるものとしています。  


また、上記の裁判例では、夫側から妻側に贈られた結納金について、結納金は将来の結婚を前提として贈与するものであるから、損益相殺の見地に照らし、損害から控除すべきであるとしています。

加えて、これを損害から控除する理由について、結納金は、婚姻の成立を確証し、婚姻が成立した場合の当事者及び当事者の家族の信愛を厚くするという目的でなされる贈与であると解されるが、本件のように、婚姻成立後わずか約1か月で婚姻関係が破綻していることや、妻において婚姻が成立しなかったことを前提とする損害の賠償を求めていることに照らし、結納金は損害から控除するのが相当であるとしています。

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離婚による経済的損害をはじめ、離婚に関する悩みや疑問を抱えている方は、ぜひ小口淳也法律事務所の初回無料相談をご利用ください。専門家である弁護士と話すことで、より具体的なアドバイスを受けることができ、あなたの状況に応じた解決策を見つける手助けが得られます。法律に関することは、どこに相談すればよいのか分からないという方が多いですが、専門家である弁護士に気軽に相談することで、あなたの不安を解消し、未来を明るくする第一歩を踏み出すことができます。

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